張形と江戸をんな 田中優子 洋泉社

張形と江戸をんな 田中優子 洋泉社
 
明治維新でどれだけ日本が不幸になったかを計る
物差しとして張り形を研究すると
その変貌によって男女の関係を見ることができるし
お互いの多様性を受け入れている社会ほど
幸福なのだということをツブサニ知ることができそうだ
 
張り形が女の道具であった時と男の道具であった時で
社会のあり方がまるで違う
嘘と秘密のない社会ではお互いが対等であるがままで
必要な分だけ分け合い補い合える関係を創れるやしい
 
嘘と秘密で建前を保つ社会では利己的に干渉し合い
外力による縦社会の秩序が必要になる
そこでは民主という着ぐるみによる擬態カモフラージュで騙し合い
権利闘争と競争原理を法律と洗脳教育によって正当化して
依存と搾取と支配による格差社会を目指すことになる