2015-04-29 ■ 焼跡のイエス 石川淳 日本文学全集 戦後すぐの闇市物語 今で言えば小説というよりも随筆のようでもある 戦争物だというのに エグくもないし今よりも心が平坦だったのだろうか 最後の晩餐なども タイトルからして額縁に入っているように どこか折り目正しく整然としている ドキドキするような怖さもないし 安心して深読みできるユックリさがある 怖さはないがつくづく暴力支配の結果である 作られた戦争の理不尽さを思う