降りる思想 田中優子+辻信一 大月書店

降りる思想 田中優子+辻信一 大月書店
 
《全人類が被爆者かもしれないこの311位後の世の中で
降りるべき大地を創造していかなければならない》という
 
まったく同感だがしかし急ぎ過ぎているようにも見える
この新たに創造する大地は
やっぱり後ろ向きでなく今であり
選んで向かう方向が前方なのではないだろうかと思うし
怯えて下がるでもなく慌てて堕ちるでもなく
意思を持って降りることにも依存はないが
それだけでなく乗り換えることも視野に入れるべきだろう
 
トーラスに循環することやピストン運動で
愉しく選んだ未知へと進み
新たな発見の喜びを目指すことが人生の基本であって
恐怖感に追われて登り続けることも下りに執着する依存も
同じように視野を閉ざしたもののように思える
 
つまりスローライフも下ることではなくて
過不足のない早さで見落としなく出合いを綴る散歩で
冒険と発見を愉しみ視野を広げ意識を育んで
切磋琢磨していくことではないのだろうか