◎天に唾吐く末法からの解放 170707

◎天に唾吐く末法からの解放 170707
 
物質環境における無限に近い情報を
ほぼ網羅できるAIが誕生しようとしている現在
この新鮮な風を遡れば
前後左右すらわからない闇に包まれて来た
末法3000年からの出口をそう遠くない先に
見つけられるかもしれない
その第一歩はベーシックインカム制度の導入から
始まるだろう
 
ソレは人間が視野を広げ意識を成長させる場として
十分に役目を果たすだろう
今度こそ人間は底なしのクレパスであった
深くて暗い「間」を克服して這い上がり真の人へと
一成る集合意識へ向かう勇気というコッンパスを
手に入れる事ができるかもしれない
 
この世に生きる人々全員の
衣食住を過不足なく賄えるAIの登場で
人間は信頼をもたらす自在性と対等性を手にし
本気になって創造する生命の本分に従い
今を切り開く調和を目指して
五分五分の冒険と発見の旅に集中できるだろう
 
他の生命体と共に全体観に漂っていた人間は
ある日背伸びをすることで広い世界を目にして
部分と言う自我に目覚め厳しい旅を創造しだした
ソレは分裂という欲望に満ちた迷路への旅でもあった
まず物質に特化した言語革命からはじまり
所有と定住による対立と戦争を強いる農耕革命を起こし
産業資本主義革命と金融競争至上主義を経て
ついに唯物主義を極めたAI人工知能
ロボットを手段とする社会にたどり着くことで
迷路の出口を見つけるだろう
 
ソレ以後の旅には光が射し
人生の目的であった筈の全体観を具象化すると言う
無限の課題を再確認することになる
物質界の情報に長けたAIに生産と分配を任せれば
情という歪を持った人間の判断と違い
透明度を限りなく高め無理のないシナヤカな
管理を可能にできるだろう
AIによって衣食住という人体が生き延びるための場を
極め付けの唯物的共産制度で確保し
人は集合意識とつながり自らの視野を深めて
意識の成長に専念する新たな段階へと
歩み出すことになるのだろう
 

◎幸福度100%の社会 170706

◎幸福度100%の社会 170706
 
生産と消費における
歪の最も少ない分配を目指すだけで
あなたを含めた全ての幸福度を
加速度的に上げることができる
 
お互いが調和で満たされていれば
過不足なく幸福度を100%にして
永久運動状態に飛躍することができる
 
これほどリアルに答えを得ているにも関わらず
信頼できなければ
だめだと分かり切っている利己心に溺れてしまう
ついウッカリと悪魔が囁く不安に誘い込まれて
奈落の過去に振り返ってしまうと
めまいがして必要十分で最適な状態を見極められず
切りのない過去の利権目指す競争原理が働き
自らの不安からなる所有欲に追い立てられることになる
 
幸福とは必要十分な情報に満たされている
過不足のない今の状態に気づけていることである

AIの遺伝子 山田胡瓜 秋田書店

AIの遺伝子 山田胡瓜 秋田書店

 

ヒューマノイドや人形ロボットや産業ロボットの医者が主人公

得にAI人工知能の専門家

腕の良い町医者で須藤新医院を経営している

看護婦というか事務員というかリサと二人で何でもこなす

ラーメン屋の大将は味に拘るヒューマノイド

落語家の弟子もヒューマノイドだけれど

空腹感をもっとリアルに感じる人間に近づきたいと相談に来るが

師匠にいっぺん死ななきゃ幽霊役はできないのか

芸は工夫で磨くもんだと諭される

心とか意識という抽象的な範疇をAIは持てるのか?
この物語は患者とのエピソードで一話ずつに待て目られているが
結果はなく過程を描いている

全編エログロなしの愛に関する物語である

ヒューマノイドの限らず
人間も物質文明の中で損得に執着し競争原理に溺れ
切磋琢磨による心や意識に関する感覚を疎かにして
鈍らせてしまって来たようだ
知識に魅せられた人間が全体観を共にする人という生命体の仲間に戻るには

所有という物欲を捨てなければならないが
依存を捨てて自律を目指すことは並大抵ではないということだ

ばからもん ヨシノサツキ スクエアエスニック

ばからもん ヨシノサツキ スクエアエスニック


書道家の家に生まれ
すくすくと跡継ぎと成り

偉い先生に盾突き辺境の田舎で
頭を冷やすことに成り
そこで素朴に育った子供たちとの出合いがあり
人情豊かな村に馴染んでいく過程で多くを学ぶ

兎も角奔放な《なる》と言う
6才ぐらいの女の子がカワイイ

 

地形で読み解く古代史 関裕二 KKベストセラーズ

地形で読み解く古代史 関裕二 KKベストセラーズ

物証の少ない古代史を今に残る地形と地理の関連性と
現場に立って当時を思い起こしながら
人間の選択肢を拾い起こしていく
のそ状況証拠から当時何が起こっていたかを洗い出す
まるで探偵のように手足で物証を探し求めると言う
実態のある研究方法で読み解いた日本古代史である

政治的な編集が歪めている日本書紀古事記
風土記とか魏志倭人伝とは別の姿も浮かび上がってくる

大陸から見れば南東に太平洋という堀をめぐらす
東のはずれである日本列島は攻めるに攻めにくく
そレに値する大きな利益も臨めない特異な場所である故に
激しいせめぎ合いも回避できて来たと同時に
時間を懸けて世界の吹き溜まりともなっていたのだろう

独裁者が生まれなかった理由
なぜ日本人は多神教的なのか
独裁者ではない王がなぜ巨大な古墳群を造ったか
日本を二分する植生の違い
世界の常識を覆した縄文人
ヤマト建国を巡る謎
豊国で朝鮮半島とつながる神功皇后
瀬戸内海と日本海の対立が生んだ天孫降臨
なぜ神奈川に巨大前方後円墳が造営されたか
なぜ八世紀に東北蝦夷征討つは本格したのか

卑弥呼は30の国から選ばれた合議制の倭国王だと
魏志倭人伝に記されているという
この理由は複雑で狭い山と谷と森で仕切られて
大群が動くには不向きだったからだと著者は言う
更には各地の自然災害が多いために
それぞれに恐れるものを神とする多神教が生まれる風土であった
飛騨山脈鈴鹿山脈をつなぐ豪雪地帯の狭い関が原で
東西を二分している日本列島
縄文時代の人工は東側で発展していた
西で稲作が盛んになってからも
豊かな狩猟採集栽培の食生活を捨てることはなかった

西は照葉樹の文化で鉄の文化と共に森林が消滅する
北と東は広葉樹のブナやナラの森で植生も違い
雑穀とイノシシの家畜化による文化の違う
農耕を拒んだのは豊かだったことと
土地の所有という所有意識による戦争をきらった兆しがあるらしい
継体天皇は東の福井から返り咲くことになる
縄文人が東から西に移動して来たことで
脅威を感じた西の人々が東を警戒しながら奈良盆地にヤマトに都を造る

日本書紀に見る歴史の改ざん
継体天皇以前の記事を鵜呑みにすることはできない
当時権力を裏で握った藤原氏天皇の正当性を建前として
本音は日本書紀の編纂によって藤原家が正当な家柄だと見せなければならなかった
正当な蘇我氏を悪者に仕立てることで自分の正当性を築いた

 

◎愛の勇気と情の力 170701

◎愛の勇気と情の力 170701
 
人間は精神的な勇気と物質的な力の二つの作用で
その瞬間の生き方を選択する
愛は完全に無条件の自在な状態であり
情は責任と義務と権利の自由勝手な社会的縛りを伴う
自在というのは無限である大自然の集合意識とつながる
自己責任による利他的な判断の委ねであり
自由とは利己的で視野の狭い物的のみの判断であり
この世では意識の狭いほど
あるいは咀嚼されていない知識の力が大きいほど
生き残ることへの執着が強く物質的な情の力が優先される
 

健康で文化的な最低限度の生活1〜4 柏木ハルコ 小学館

健康で文化的な最低限度の生活1〜4 
柏木ハルコ 小学館
 
地方公務員試験に受かった主人公を通して
生活保護の職員になってからの体験談という形で
その内情を紹介している社会派とも言えるマンガ
 
少し現状を美化し過ぎているようにも見えるけれども
このストーリーのように役人が前向きに取り組んでいてさえ
本末転倒した法律優先で矛盾だらけの板挟みに職員が苦しむと言う
遣り場のない実態を明らかにしてくれる
 
この本を他人事の物語として読むこともできるし
自己啓発本としても読めるが
はじめに法在りきの思い込みに縛られず
もっと根本的な法律のシステムそのものを
市民を縛るという消極的な上から目線でなく
純粋に市民一人ひとりの幸福の追求するという
再分配のための税金を預かる役場の目的が何かに立ち返り
個人同士の比較や対比でなく人々の自在性と自律を法制度の根本に据えて
全ての個々における対等性を意識して民主化を目指すと言う
社会問題として受け止めることもできる
 
あるいは人権という問題から読めば
一人の担当者という未完成の人間が見掛けの情報だけで
受給者である相手の暮らし方を判断して裁くという
傲慢で不公平で不正行為を可能にする条件だらけで
弱い所にしわ寄せするマイナー志向からなる制度を捨てて
前向きにとらえ直せば法制度そのものをシンプルにシナヤカにし
個人単位の完全な無条件にすることによって上下関係を無くして
差別などの人権問題を無くす事が可能となる
又そのことで個人の生きる意欲や
生き甲斐を掘り起こすことにもなると気付くべきである
 
二巻の第10話の3ページ目にある言葉が大事なのだと思う
生き方を最終的に決めるのは本人
本人の意志を無視して法律の枠や担当者の都合に力尽くで閉じ込めれば
反作用の摩擦で自害や反発のタネがくすぶることになる
 
お互いに未熟者同士が利己的に駆け引きするよりも
すべての個が無条件という同じベースに立って
それぞれの過去と思いで人生を選択していくことができる制度が必要なのだ
これこそが対等な切磋琢磨によって過去と未来の過渡期をつなぎ
過剰な摩擦のない相乗効果を起こすベーシックインカムの基本である
 
五巻目を読むのが愉しみである