◎自分意識 170309
◎ベーシックインカムの次に来るモノ 170309
すべてを可能にする数学脳のつくり方 苫米地英人 ビジネス社
すべてを可能にする数学脳のつくり方 苫米地英人 ビジネス社
この本で著者が目指すものは
地球市民の開眼だろうか
間接的な意識革命へのイザナイのようでもある
それはそれとして
数学脳的ものの見方はオモシロイに尽きる
数学言語は嘘をつかない
解釈の違いなど入る隙がない
そのくせ柔軟な発想を可能にする
兎も角良くできている内容である
この本を読むことは素の自分を発見するという意味で
一石二鳥の体験になるだろう
曰く:
国民は「議員にふさわしい人間」を選びたので
「私がふさわしいと主張するのが得意な人間」を
選びたいわけではない
プレゼンの技術やコンサルタントの技術が実物よりも
全面に出る弱肉強食の世界は
日本の信頼関係で成り立ってきた
平和共存のビジネスを歪めてしまった
反面
従来の感覚は失敗を隠し合って長引かせ悪化させてしまう
先輩をかばい利得権を守り目的を見失い反故にしてしまう
あるいはその曖昧さで専守防衛の意味を都合に合わせて曲解し
防衛の域をはみ出すことで利権を生み出す
整理された思考は過去の結果や法則に根ざし
新たな発想を打ち消す
大事なのは膨大な経験を含む知識だという
知識のカオスの中から総合的な形(ゲシュタルト)が生まれる
新しいものは混沌の中から閃いて生まれる
それが咀嚼された意識に育つ
数学脳はこうした柔らかい思考を育てる有効な手段である
アイヌと縄文 瀬川拓郎 ちくま
アイヌと縄文 瀬川拓郎 ちくま
同じ縄文人を祖先に持つからと言って
2千年以上も異なる歴史を歩んできた私たちは
互いに補い合う精神的な文化を選んだアイヌと
権利を主張し合い知識による文明を目指す弥生文化を選んだ本土人を
同一視することはできない
しかし現代の日本人として縄文的精神文化を振り返り
彼らが大事にしてきたお互いの関係に自主的な参加をする全体感という
総合的な生き方を取り戻すことが可能なのだとつくづく思わされた
それにしてもアイヌと一口に呼べないほどこの二千年は多様であり
意思を貫きながらも生き延びるために
互いを補い合う譲渡の文化と駆け引きによる交易の二刀流を使い分けた
したたかさに頭が下がる
所有意識がもたらした侵略という競争に依存する行為が
物的な文明の促進のみを目的にする視野の狭さを
育ててきたことの愚かさに気付かされる
そろそろ欲ばかりでなく自主的な選択で
前向きなしたたかさを手にして私達も
墓穴の中から這い出すことが大事なのだと
この本で学ばなければならない峠を向かえているのだと思う
《例えば確定申告》《例えば消費税》《例えばベーシックインカム》
《例えば確定申告》
お上のやることは
分捕り合戦の格差を是正するために
再分配をするだけの単純明快な作業のはずなのに
やたら書類ばかり増やし複雑にすることで
歪んだ内容を見えにくくしているとしか思えないよね〜
《例えば消費税》
福祉のためと詭弁を吐くが
格差是正どころか生活苦を煽る画一税制度で
再分配とはこれイカに❢❢
利益を余分に得たたところから税金として返してもらい
過不足なく必要なところに配り直すだけの筈
《例えばベーシックインカム》
手間代と公平性を考えると
命のある全ての市民に対して
元々生まれる条件として付帯していたはずの生活権として
一律に再分配するベーシックインカム制度が現時点で最もふさわしい
嘘も秘密も有りえない公明正大なシステムだと思う
日本人になった祖先たち 篠田謙一 NHK
日本人になった祖先たち 篠田謙一 NHK
ミトコンドリアDNAの分析技術の進歩により大きな事実が見えてきた
骨の遺伝子から家系部とは別の母性系列のよる祖先を遡る
その結果一人のアフリカ女性に人類全ての発生を見ることができる
考古学や人類学とは別の観点から紐解く日本列島人
旧石器人・縄文人・弥生人・・・現代人の有り様を地球規模の流れの中で
読み解いていく新たな証拠と展望
見てきたような小説もどきであったかつての
バラバラの証拠をつなぎ合わせながらの推測も面白いけれども
証拠の隙間を埋めるDNAに刻まれている暗号を解くスリルは格別のものだ
更にスゴイのは第十章の「DNAが語る私達の歴史」である
未来を見通すDNA的世界観へと導く著者の思想と人間性
末法と呼ばれるこの混沌と行き詰った暴力社会の夜明けが見えてくるようだ
205ページ以降を読み解く
国家と民は別の存在と考えるべきである
国ができる前にそこに住んでいる様々な民がいるわけなので
侵略にならないようにこの基本を認識している必要がある
直接の子孫と周辺に暮らす親戚がいることも考えて行動する必要がある
近い関係ほど複雑な利害関係が生まれるのでだけれども
本質的にいがみ合う必然性などないことを理解している事が大事
血統とDNAをどうとらえるか
血統とか家系は利己的な対立を生み出し
競争とか権利とか所有という概念によって争うことにつながる
これを遺伝子情報から紐解くと一人ひとりが2万個以上の遺伝子からなり
それだけの数の系統をお互いのもっていることになる
男をイメージしてしまうY遺伝子もその2万分1にすぎないことを
認識するべきなのだろう
核のDNAは受精の度に組み換えされて伝わるので系統を遡ることは不可能
ミトコンドリアDNAやY染色体のDNAも集団的な解析を可能にするだけで
個々の過去を探し出せるわけではないことを理解しておく必要がある
個々の遺伝子が何万年もの長い歴史を持っていても
その組み合わせは一人ひとりのものであると同時に
様々に立体的なネットを構成しているというわけだ
人類皆親類であり大家族の中の個性ある一人ひとりだということだ
原則として交流は緩やかに流れることが大事で
旅する者が侵略にならない形を選ぶ必要がある
数の論理で相手を破壊するのではなく
切磋琢磨による発見と変化をたのしむべきなのだ
過去をベースとする経済などの物的な社会価値観にのみに
とらわれたグローバリズムでなく
意識という全体観をベースとするグローバリズムを視野に入れた
両輪によるバランスの取れた未来を創造していくことが
調和を目指す幸福感でお互いの心を満たす唯一の方法なのだろう